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属性の反映の使用

ユーティリティー ネットワークには、サブネットワークが更新エクスポートトレースされたときにパイプ圧力、ライン電圧、位相などの変数を表して維持するために使用される、属性反映と呼ばれる高度な機能があります。 属性反映はネットワーク トポロジーを利用して、ソースからサブネットワークの接続エレメントまでの値をフロー方向に計算します。

注意:

通信ドメイン ネットワークでは Propagated_BITWISE_AND 関数を使用して、波長反映がサポートされています。 詳細については、「波長反映」をご参照ください。

たとえば、Normal Phases 属性値が ABC の回路遮断器、変圧器、中電圧の架空導体からなる電気サブネットワークを考えてみます。 サブネットワークが更新される前、導体の Phases Energized フィールドは「非通電」に設定されています。

サブネットワークの更新を実行する前の非通電の導体

回路遮断器がサブネットワーク コントローラーとして設定され、サブネットワークの更新操作が実行されると、回路遮断器からの ABC という Normal Phases 値がネットワークを通して反映され、導体の Phases Energized フィールド値が ABC という値に更新されます。

更新後に通電値になったサブネットワーク

従来のフィールド演算とは異なり、反映はネットワーク トポロジーを横断し、コントローラーからの通過可能性に基づいて値を書き込みます。

プロパゲーターは、ネットワーク属性を含む サブネットワーク定義の設定 ツールを使用して、サブネットワーク トレース構成の一部として層レベルで定義されます。 反映される値のネットワーク属性は、トポロジーの有効化または検証が行われるとネットワーク トポロジー内に保持され、ネットワーク フィーチャの属性に格納された値に関連付けられます。 プロパゲーターは、サブネットワークの更新、サブネットワークのエクスポート、またはトレース操作中にフィーチャを通過する際に、サブネットワーク コントローラーの下流にあるフィーチャのネットワーク属性から値を取得します。

注意:

ネットワーク属性が NULL 値をサポートしている場合、反映時に発生した NULL 値は無視され、反映される値には影響を及ぼしません。

反映される値は、サブネットワークの更新操作中にサブネットワーク コントローラーの下流にあるフィーチャに書き込まれ、サブネットワークベースのトレースの実行時に条件バリアとして適用されます。

注意:

属性の反映は、ネットワーク内のリソースのフローをモデル化するためにデジタイズ方向を使用して上流または下流トレースを実行するときには無視されます。

フィーチャの反映される値は、フィーチャ 結果タイプ オプションと 反映される値を含める パラメーターを使用してトレースまたはサブネットワークのエクスポート操作を実行する際に、.json 出力ファイルに返すこともできます。 詳細については、「トレースの構成」と「サブネットワークのエクスポート」をご参照ください。

注意:

エンタープライズ ジオデータベースを操作する場合、反映される値を含める パラメーターには ArcGIS Enterprise 12.1 以降が必要です。

トレースを実行する際、propagators パラメーターは、Python を使用する場合または ModelBuilder のパラメーターから変数を作成する場合にのみ使用できます。 プロパゲーターの構成は、ネットワーク プロパティ タブに層のトレース構成の一部として表示されます。 サブネットワークが更新またはトレースされるときに、operator が使用されて、考慮されるフィーチャをフィルターします。 複数のパラメーターが反映の構成に関連付けられます。

ネットワーク属性値の反映に使用できる 3 種類の Functions があります。

  • Propagated_BITWISE_AND

  • Propagated_MIN

  • Propagated_MAX

    Propagated_MIN および Propagated_MAX は通常、数値を使用するトレースの解析に使用されます。一方、Propagated_BITWISE_AND は主にビットセットを表す数値を含む電気および通信ネットワークのサブネットワークおよび回路定義で使用されます。 詳細については、「サブネットワーク定義の設定」と「回路定義の設定」をご参照ください。

注意:

反映は常にサブネットワーク コントローラーから開始します。 プロパゲーターが評価されて false を返す場合、そのフィーチャはバリアと見なされ、結果には含まれません。

次の例は、ソースベースのドメイン ネットワークのシナリオを示します。ただし、シンクベースのネットワークに応用する際には、上流と下流が入れ替わることがあります。

Propagated_BITWISE_AND

Propagated_BITWISE_AND 関数は、bitset を表す 2 つの数値の差を求めます。 たとえば、電気ドメインでは、フェーズは 3 つのビット (それぞれフェーズ A、フェーズ B、フェーズ C を表す) を使用してモデル化できます。 これら 3 つのビットを合わせて 2 進数 111 が形成されます。これを 10 進数に変換すると 7 という数値になります。 いずれかのビット (たとえばビット B) が非通電の場合、残り 2 つのビット (たとえばビット A と C) に通電され、2 進数は 101 になります (真ん中の 0 は B が非通電であることを示します)。これを 10 進数に変換すると数値 5 になります。

ここで、電気ネットワークの下流解析トレースで、フェーズを更新するように反映が構成されており、ネットワーク属性 Phases Current がフィールド phasescurrent に割り当てられているとします。

ソース回線遮断機は ABC です。 B フェーズが上流で非通電である場合、フィーチャのネットワーク属性がフェーズ B を示していても、プロパゲーターは下流フィーチャでもフェーズ B を非通電にするようフェーズ値を計算します。 この操作は、演算子が True である限り、トレースとともに下流方向に続行されます。

次に示すサンプル関数は以下のとおりです。"Phases Current" PROPAGATED_BITWISE_AND INCLUDES_ANY ABC "Phases Energized"

3 フェーズの電気ラインの PROPAGATED_BITWISE_AND 関数の例

この例では、Phases Energizedサブネットワークの更新 の実行後に更新される属性です。 フェーズ B のラインはプロパゲーターによって非通電になり、トレースのバリアとなります。 反映メソッドおよび演算子が false を返すと、反映される値は 0 になり、フィーチャは非通電になります。

Propagated_MIN

Propagated_MIN 関数は、比較対象の 2 つの数値の最小値を求めます。 この関数は、現在のフィーチャの数値を前のフィーチャの値以下に維持する必要がある場合に使用する必要があります。

電気ネットワークの下流解析トレースを一例として考えてみましょう。ここでは、ネットワーク属性 MOV をフィールド maxoperatingvoltage に割り当てます。 トレースは、35 kV の MOV で開始します。これが最初に反映される値です。 25 kV の値が発生すると、次に別の最小値が発生するまでは、この最小値が反映されます。 サブネットワーク全体がトレースされるか、演算子で設定した条件が満たされるまで、この操作が下流に向かって行われ、最小値が反映されます。

次に示すサンプル関数は "MOV" PROPAGATED_MIN IS_GREATER_THAN 15 "MAXVOLTAGE" です。

PROPAGATED_MIN 関数の例。15 kV の値を持つ中電圧ラインがバリアとしての役割を果たします

この構成では、MOV が 15 kV より大きい値を維持している場合に反映を続行するようシステムに指示しています。 この例では、MAXVOLTAGEサブネットワークの更新 ツールの実行中に更新される属性であり、15 kV 以下の値がバリアとしての役割を担い、トレースを停止します。

Propagated_MAX

Propagated_MAX 関数は、比較対象の 2 つの数値の最大値を求めます。 この関数は、現在のフィーチャの数値を前のフィーチャの値以上に維持する必要がある場合に使用します。

ここで、同じ電気ネットワークにおいて、MOVmaxoperatingvoltage フィールドに割り当てられるネットワーク属性とします。 回線の電圧をアップグレードしようと検討しているエンジニアは、トレースを実行して、プロジェクトの一環として交換が必要な機器の数量を把握する可能性があります。 これはプロパゲーターを使用し、トレースによってライン上の MAXVOLTAGE を更新することで行えますが、"MOV" PROPAGATED_MAX IS_LESS_THAN_OR_EQUAL_TO 30 "MAXVOLTAGE" のように、ネットワーク属性 MOVPROPAGATED_MAX 関数を使用して 30 kV を超過しないことが条件となります。

PROPAGATED_MAX 関数の例。35 kV の値を持つ中電圧ラインがトレースのバリアとしての役割を果たします

この構成では、MOV が 30 kV より小さい値を維持している場合に反映を続行するようシステムに指示しています。 この例では、MAXVOLTAGEサブネットワークの更新 ツールの実行中に更新される属性であり、30 kV より大きい値がバリアとしての役割を担い、トレースを停止します。

プロパゲーター リセッター

プロパゲーター リセッター ネットワーク カテゴリーを使用すると、トレースの一部として検出されたときに反映された属性値をリセットするネットワーク内のフィーチャを指定できます。 反映中にプロパゲーター リセッター カテゴリーを持つフィーチャが検出されると、リセッター フィーチャの値が反映される属性値になります。

プロパゲーター リセッター

注意:

プロパゲーター リセッター ネットワーク カテゴリーは、ユーティリティー ネットワーク バージョン 8 以降でサポートされています。

位相反映の設定

属性の反映は、ユーティリティー ネットワークの管理者が構成します。 属性の反映を構成するには、次の手順を実行する必要があります。

  1. 反映を使用するネットワークの各クラスに、計測可能または変化するアセット情報を格納するフィールドを作成します (電気ネットワークの Phases Current など)。

  2. コード値ドメインを構成し、ステップ 1 で作成したフィールドに割り当てます。

    これは、さまざまな組み合わせの値を含む初期値の役割を果たします (例: A = 4、B = 2、C = 1)。 3 ビットのシステムでのコード値ドメインの構成例を次に示します。

    • コード

      説明

      0

      非通電

      1

      C

      2

      B

      3

      BC

      4

      A

      5

      AC

      6

      AB

      7

      ABC

  3. インライン ネットワーク属性を作成し、ネットワーク属性の追加 ツールを使用してステップ 2 のドメインを指定します。

  4. ネットワーク属性の設定 ツールを使用して、ネットワーク属性をステップ 1 で作成したフィールドに割り当てます。

  5. 必要に応じて、ステップ 1 のクラスごとに別のフィールドを作成し、反映されたフェーズ値 (通常、電気ネットワークでは Phases Energized と呼ばれる) を取得して格納します。

  6. ステップ 2 で作成したドメインをステップ 5 で作成したフィールドに割り当てます。

  7. サブネットワーク定義の設定 ツールを使用して、解析イベントの実行中の反映の動作を定義します。

    このためには、サブネットワーク定義の設定 ツールを ModelBuilder のモデルに追加します。

    1. モデル内の サブネットワーク定義の設定 ツールを右クリックして 変数の作成 > パラメーターから > プロパゲーター の順に選択します。

    2. モデルに追加した プロパゲーター パラメーターをダブルクリックして、属性を適切に反映します。

      プロパゲーターの構成を示したサンプル モデル。